備忘のための追記:
この記事を書いたのは、舞鶴市であいさつ中に土俵上で倒れた市長の救命にあたった女性に、若手行事が土俵から降りるように促すアナウンスを繰り返した事件があったからだ。
市長は後にくも膜下出血であったことが分かった。また、女性は市長が理事をしていた病院に勤めていた看護師だったらしい。
意識を失って痙攣している市長に心臓マッサージを施している女性に対して、土俵から降りるように繰り返しアナウンスが流れる映像は大変ショッキングだった。
この事件を通しては、上位の者やルールに従順に従うことが良いとされる所謂体育会系の価値観が、若手行事を思考停止に陥らせたのではないかという別の問題も見えてくる。一刻も早く女性を土俵から降ろさないと、後で上司に厳しく叱られると恐れたのかもしれない。
日本の教育は戦前は従順な兵士を、戦後は従順な企業戦士(別名社畜)を育てるように最適化されてきた側面がある。所謂「体育会系」という世界はその最たるものだ。日本では今でも「組み体操はかけがえのない教育活動」などと発言をする政治家がいて、それが一定の支持を受けてしまう。戦後70年以上、バブル崩壊後30年近くが経過し、インターネットができて世界は大きく変わっているのに、日本の教育は本質的には何も変わっていないんだろう。